11月2日は全世界的にキリスト教の「死者の日」。
亡くなった大切な家族、友人達を想い、皆で彼らの思い出を語り楽しい時間を過ごす、日本でいうところの「お盆」。
でもメキシコの「死者の日」はちと違う?
ガイコツだらけ
ガイコツ? 11月2日の「死者の日」に向けて、メキシコらしい飾り付けに欠かせないガイコツ(Flacoフラコ)をユーモラスにアレンジしたもの。 有名どころではカタリーナさんと呼ばれる淑女(トップ写真の皆さん)で、彼女は高貴なお家柄なのでしょうか、いつもエレガントにおしゃれをしています。ガイコツなのに。 初めて彼女らを見た時は「げ!ガイコツ!趣味ワルッ!」と思ってしまいましたが、慣れて来るとなんだか可愛い。自転車に乗ったガイコツ、酒瓶抱えたガイコツ、カウボーイスタイルのガイコツ。 ガイコツ=死者、をこんなふうに茶化しちゃうところがメキシコ、なのです。 |
祭壇はあくまでもハデハデに
街の人々が、死者を弔ってつくる祭壇(オフレンダとかアルタールとか言います)やガイコツ人形を展示して、みんなに見てもらおう、というもの。 自分の家族、祖先の写真とともに、彼らが生前愛したものを、先住民の言葉でセンパスチルと名付けられたオレンジ色の大きなマリーゴールドの花とともに、派手派手しく作って行きます。 日本の黒く、重苦しい仏壇とは好対照。 ユーモラスで、なんだか楽しくなるそれは「いや~、亡くなっちゃったけど、もうローンや仕事で悩まなくていいし、カミさんに叱られなくていいし、今はあっちで楽しくやってるんだろな~」と、彼らの「平和な死後」を喜ぶため。 もちろん、メキシコ人にとっても、死は悲しく辛いもの。 でも悲しむのはすぐにやめ、「無事に天国に行けてよかったね!」と祝い、いつも彼らの笑顔を思い出して笑う。それが、メキシコ流。 中にはぐっと、胸を締め付けられるアルタールも。 写真下の日付を見ると、どうやら今年亡くなったらしい。しかも、まだ子供。 アルタールの設置された小部屋横に、彼(が書いた、ということで)からの手紙がありました。 14歳のオスカル君は、突然発症した白血病により、なんとこの日のわずか3週間前に亡くなったとの事。 彼の生い立ち、家族、病気との戦いが書かれていましたが、でもなんとなく読んでいて微笑ましくなってしまいます。というのも、辛かった、苦しかった、というネガティヴな言葉は一切なく家族と暮らした楽しい時間、好きなサッカーの事、病気は治らなかったけど、今はゆっくり楽にしている、などと書かれているから。彼に代わってこれを書いたご家族の本音でしょう。 来年も再来年も、こうして、彼を思い出して、アルタールが作られて行くのです。 |
お墓でも賑々しく!
普段は人気のない町外れの墓地もこの日ばかりは大にぎわい。 中にお邪魔してみると、花々で満たされ、家族がお墓を囲み、中には生前彼らが好きだったのでしょう、バンドを呼んで高らかに熱唱していたり。 つまり、どんちゃん騒ぎ。 しんみり神父さんのありがたいお話に頭を垂れている家族もありますが、大多数は「派手に!楽しく!」の様子。 |
パン デ ムエルト
それと、「Pan de muerto死者のパン」と呼ばれるこちらのパン。 丸く柔らかなパンにはオレンジジュースが練り込まれ、十字型の飾りの真ん中にはおへそのようなでっぱり。 この模様、人間の体、骨を表しているのだとか。 ちょうど、朝晩ぐっと冷え込んで来る時期なので、温かいホットチョコレートと一緒に、これをいただくのが期間限定の楽しみ、だそうで。 |
もちろん飛び交うジョーク
「死者の日」にちなんでも、当然ジョークが飛び交うメキシコ。ある旅行代理店からこんなメールが来ていました。
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