冬から春にかけて、クリスマス、新年、セマナ・サンタとあれこれバケーションの多いメキシコですが、夏の間は祝日がほとんどなく、みんなわっせわっせと仕事をしています(それでもスピードと量は日本の5割程度な感あり、ですが)。
でも、バケーション、小旅行の大好きなメキシコ人ですから、毎週末が楽しみでならないわけです。
「突然、思い立って」というのがメキシコ式。
私の住むグアダラハラは内陸の高原地帯。
とはいえ、車で3~4時間とばせばどどんと広がる太平洋があるので、暇さえあれば友達を募って一泊の浜辺キャンプに出かける人も多くいます。 そういう時の彼らのアクションは早いし手際がいい! すぐに車にテントと寝袋、簡単な着替えなどを積んで、スーパーマーケットに寄って買い出しをして、あっちで一人、こっちで一人ピックアップして、さあ、エンジン全開!みんなであれこれおしゃべりしてればあっという間に海についてしまいます。 日本の国土の5倍もあるメキシコですから、4時間のドライブなんて近距離のうち。まだ同じ州の中なんです。 そこまで行かなくても、なだらかな丘陵地帯の景色のいい道を小一時間走れば、メキシコ最大の湖チャパラ湖があります。 ここは海の代わりになる人工ビーチを持つ湖で、周辺には魚介類を提供するレストランや「アカプルキート(ちっちゃいアカプルコ)」と冗談で名付けたビーチバーが集まるエリアなどがあり、暑い日の昼下がりにはちょっと気分転換にいい場所となっています。 湖畔をのんびりめぐり乗馬もあるので、家族みんなで楽しめます。
|
お出かけランチも当日決める!
遠出をしないランチも、その日に突然決まるのです。
教会に行ったおばあちゃんを迎えに行くついでに、家族全員が車にぎゅうぎゅうになり、郊外の景勝地や湖畔のレストランでお食事。 お食事も急ぐ事無く、かるく2~3時間は当たり前。それが終わってもすぐに帰るわけではなく、あちこちを車で周り、あちらでアイスクリーム、こちらで茹でたガルバンソーを買い食い、隣町のセントロ(街の中心部)で日暮れを楽しみつつ、おしゃべりとお散歩をして。
|
大きなカートに山盛り買込んでいくので、日曜午後6時以降のレジは大変な人ごみ。まるで、「明日から非常事態。みんな自宅待機!」の映画のワンシーンのようです。ちびっ子はわめき、走り回り、レジで辛抱強く待つお母さんに「こっちのほうが安いぞ」とお父さんは何かを持って来たり、アピールしていれば必ず買ってもらえると判っている中学生はジッと雑誌を抱えていたり。 とっぷりと日も暮れた午後9時(こちらは夏時間なので日が長いのです)に、買って来たものを冷蔵庫やパントレーに仕舞いつつ、本日最後となるおやつや軽食をつまみ、ビールやテキーラを飲み、ゆっくりと一日が終わりになります。 特に出かける予定のない(作れなかった)一人暮らしの学生や働いている若者はどうなのよ?というと、平日にたまった洗濯物を一気に片付け、その間に掃除をし(メキシコ人はかなり綺麗好き)、夕方の「家族ラッシュ」の前に買い物を住ませ、夜は家で友人を招いて(というか、来る)サッカー観戦や映画鑑賞しながらビールを楽しむ。このあたりは日本と特に変わった感じはありませんね。 ただ、そこがメキシコ。 私も先日、まったく予定がなかった日曜の昼過ぎにのんびり市場で買い物をしていると、友人から「昼ご飯食べに行こ!」とお誘い。一日が始まってみないと何が起こるか判らないメキシコですので、買い物を家に置いてシャワーを浴びて、友人の迎えの車に乗り、前述のチャパラ湖畔でのんびりランチを食べ、そのまた隣町までドライブしてビール飲んで、とっぷり日が暮れたころに「あ、洗濯物干しっぱなし」と気になり始め、帰宅すると土砂降りの夕立で洗濯し直し。 まあ、それでも楽しいメキシコの日曜日を過ごしたのだからまったく文句はありませんが。 <来週は、メキシコ人の国旗に対する熱い思い |