メキシコ人の挨拶は大抵、片頬へのキス(Besitos)から始まります。どもっ、ちはっ、という感じで、女性同士、男性同士(は親戚なら)でもやります。そこまで親密な人でなくても、久しぶり(1週間空いたら久しぶり)だったらbesitos。
そういう習慣のない日本人の私も、最初の頃はちょっとドギマギしてましたが、今ではなんともありません。これがこちらでの挨拶。
もちろん、したくない相手にはしなくていいのです。(その具合を、わずかコンマ1秒程度で読み取るメキシコ人ってとても繊細だと思いませんか?)
ほっぺにチュッ、が挨拶 |
あっちでぺちゃくちゃ、こっちでぺちゃくちゃ
通りがかりで「ども~」とだけ挨拶して立ち去るのも可、なんですが、時々は立ち止まってあれやこれやおしゃべりしないとむしろ「私の事嫌いなの?(冗談めいて)」と言われたりします。 いえいえ、急いでいるんですよ、という日本的言い訳はここではまず通用しないでしょう。なので、メキシコ人を始め、ラテン系の人と待ち合わせて、相手が遅れてくるのも無理はないな、と。 だって、家を出て目的地に着くまでにだれか知り合いを見かけるでしょう?そうするとそこで軽く1分、なにかニュースがあって会話が乗って来ると5分、10分は当たり前。それが何度か繰り返される訳で。 先日も、お買い物に出るのに歩いていたら、近所の職人のおじさんに呼び止められて、ついでにアレコレ聞きたい事もあったのでおしゃべりしてたら、20分も経過してました。そういう、リアルなコミュニケーションたっぷりな国。 お買い物に出ても、東京だったら、家を出てからスーパーで買い物して帰宅するまで、一言も喋らないことだってあるのに、そんなことこちらではあり得ません。 信号待ちや歩いていて、だれかに道を尋ねられる(外国人の私がたずねられる)、顔なじみの店を通りかかって挨拶+おしゃべり、八百屋さんでトマトを選んでいる時に隣のおばさんに話しかけられ(あっちの店は高かったわよ、とか)、肉屋のおばちゃんとはあれこれ5分以上も立ち話。チーズ売り場のお姉さんともアレコレ。 みんな、興味があるのです。どこから来たの?何をしているの?家族は?日本ではこれはどうやって食べるの?などなど。質問攻め。最近では外国人という枠なしの「普通の世間話」も投げられるようになりました。この地域に一人だけ住んでいる(らしい)アジア人の私だからか?いえいえ、そうでなくても現地人でもおしゃべり。 そこで気づくのは、街行く人達の会話。何を喋っているの?と、耳をそばだててみると、7割近くはなにかしら食べ物の話し。あそこのアレはどうだった、とかコレはこっちの店のほうが美味い、だとか。料理方法や値段も含め、食関連の話題がとても多い。さすが、食べる事大好きなお国柄。 あとは親戚家族の話し。誰かの家族、の話題はメキシコではとてもポピュラーなネタ。なにしろ家族中心の社会ですので。 |
メキシコの食卓はやかましい?
大きなテーブルを囲んでみんなでする食事は、どこでもにぎやかになりますが、メキシコは特にそれがにぎやか。
1つの話題でみんなが盛り上がるのも当然ですが、テーブルのそこここで会話のキャッチボールが盛んに行われ、クロスし、複数の会話が同時進行。 その間、みんな「しゃべる、飲む、食べる」を休みなく行うので、口は大忙し。テーブルから食べ物がなくなったとしても、まだまだ喋り続けます。パーティの時はもう大変。すぐ横にいる人との会話も聞き取れないほど、みんな喋りまくります。
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もちろん、長い付き合い、腹割った付き合いでお互いに冗談とわかるならまだいいのですが、これがきっかけで大変な事件になることもしばしば。 メキシコ人は家族、友人をとても大切にする傍ら「裏切ったら大変だぞ」と両極端な部分もあるので、シニカルなジョークとかも時と場合によっては、一瞬にして場の空気を凍り付かせることもあるそうです。ま、いずれにしても「悪いことは言わない方が良い」というのは世界共通なようで。 <来週は、悪魔払いの危険なお祭り?サンティアゴの祭り突撃レポート!> |