世界の長者番付第一位は、ご存知のようにアメリカのBill Gates氏。一人置いて第三位はというと、これが意外に意外!なメキシコ人、Carlos Slim氏。
ビル・ゲイツ氏との差はわずか(?)5000億円というのだから、びっくり(Forbes 2009)。
残念ながら日本人資産家はTop30にははいっておりませんが‥
メキシコ人はお金持ち? |
捕らぬ狸の‥
都市部郊外はどんどん宅地造成され、新しい住宅域が広がり、政府も市民に家を買いやすくするためにどんどん貸し付けをしています(昨年のアメリカ経済のようにならないといいのですが)。 新しい家を買えない、買わない人はどうするか。 代々続いた土地に立つ家の改築、増築にいそしむわけです。街ではそこここで家の増改築の風景をみることがありますが、時に「あれ?」と思う事も。工事が途中のまま、数ヶ月放置してあるのです。 これってむしろ、土台に悪いんじゃない?とも思うのですが、その理由としては「お金がないから」だとか。 日本人の感覚ではかなり「???」なのですが、これがメキシコ。お金は今は少ししかないけど、そのうち入るでしょうとの「取らぬ狸のなんとか」で、見切り発車で工事を発注し、結果、期待していたお金が入らなかったから工事は中断。これが、個人レベルではなく、国全体の個性のようで。 個人経営などの零細企業に至っては、収入の見込みがないのに人を新たに雇う始末。こちらからすれば、いろいろ工夫して能力、システムなどの見直しをして今の人員でまかなえるのに、と思うのですが。そうして、給料の支払いが遅れ、従業員は経営者の顔を見る度に「金くれ。金くれ。」と唸る訳です。 |
宵越しの‥
その日の夕方、銀行のATMには振り込まれたばかりのお給料を引き出す人の長蛇の列。 月末の光熱費など振込で長蛇の列ができる日本とは正反対。 そしてみなさん、引き出す額はなんと「可能な限り」目一杯引き出して行きます。銀行口座はただの「受け取り場所」でしかないようです。そして、他に定期預金とかの口座があるわけではなく、引き出したお金はすべて、次の入金日までに綺麗に使ってしまうのが国民性だとか。 なぜか。 一応、しっかりとした歴史的な理由があるようです。 戦争や革命を乗り越えて、1950-70年代には一時社会主義傾向が強かったメキシコ。 その後、1976年から1992年まで、国内全ての銀行は国有化されていました。 100年前の革命前後には、銀行に預けていたお金がほぼ無価値となり、大銀行の倒産などで国民はもはや銀行を信頼していない状況。その「苦い経験」を先祖代々聞かされて来た人々はいまだ、銀行を信用していない、なので銀行には預けない、ということ。 私の周辺でも、年代は様々ですがみな一様に「預金口座?そんなのない」と。。。たった一人だけ、節約、貯蓄に励む同世代女性がいましたが、彼女は希有な存在のようです。 |
激安市で節約?
そんな節約家も嬉しいのがBaratilloと呼ばれる「激安市」。
週一開催のこの市では、色んな商品が市販の半額以下、下手すると2割程度で買えるので、みんなこぞってここに出かけては、抱えきれない程の商品を買い込みます。 結果、個々の商品が安くてもかなりな出費になるようです。 そして、中には「安物買いの‥」に繋がるようなものもあるので、最終的に安くなるかどうかは買う人の観察力に左右されるのでは?
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お金がない、訳ではないのです。 ない、のは銀行などの金融機関に対する信頼と、計画的な使い方。 でもそれもまあ、「今日、生かされていることに感謝して、目一杯楽しもう!」というラテン気質からなのかもしれませんね。 <梅雨明けも間近?カラッと晴れたらビールが美味しい!来週はメキシコのビール特集!> |