人間関係を“距離”という視点から分析する「プロクセミックス(近接学、対人近接心理学)」。 なにげない「座席の選び方」からココロを紐解く「座席の近接学」、おまちかねの(?)後編です! 前編では、一緒にいるふたりの関係(特に新密度)が座り位置にあらわれる!なんて話をしましたが(まだ読んでおられない方は、「第22回 座ればわかる、人間関係。 ☆座席の近接学 前編☆」をぜひ!)、後編のテーマは「場面変われば座り位置も変わる!」。 ふたりの関係性だけでなく、その場が今どういう状況なのか、ということも座席の選び方を見ればわかっちゃうかもしれないのです。 それでは、本日も無意識のココロの世界へと、まいりましょう☆ |
状況に応じて、選ぶ座席が変わる!
たとえば、友人が先に四角いテーブルに座っているとして。
「軽くおしゃべりしたいなぁ」と思ったアナタは、どこの席に座る? じゃ、その友達に「どうしても一言言わなきゃ気がすまない!」という気分のときなら? また、「友達がやってる作業を手伝ってあげようかな~」というときなら? そう、私たちは状況に応じた席選びってのを、普段からやってるんです。意識せずとも。 その無意識の席選びを、観察実験としてまとめたのがソマーという心理学者。 大学生を対象に、「話をする」「協力しあう」「競争する」という3つの状況を作っておいて、 1人の学生があらかじめ座っているとき、あとから来たもう1人がどこに座るかを観察したのです。 その結果が、コチラ。 |
話をするときは、適度な距離があり視線のやりとりもしやすい、テーブルの角を挟む座り方が一番人気。向かい合って座る人も多いですね。
協力しあう場面では、半数が隣り合って座ることを選択。作業のしやすさに加えて、“力を合わせる”という親密感が、最も距離の近い席を選ばせるよう。 逆に、競争するような状況では、隣り合って座るという人は少数。向かい合ったりはす向かいに座ることで、相手との距離を長く保ちつつ、相手の動向が常に視界に入るようにしているってワケなのです。 この調査、1965年とけっこう歴史あるものなんですが、座席選びの心理は今も昔もあまり変わっていないようで…けっこう納得の結果じゃないですか!? |
応用編「座席の選び方」クイズに挑戦!!
突然ですが、「座席の選び方」クーイズ!
前編・後編を合わせた応用編をクイズ形式にしてみたので、ぜひ挑戦を☆ まずはこちらの、座席の座り方をA~Eの5つに分類した図をチェック。 |
それでは、次の2つのシーンにおいて、人々はどの座り方を好むでしょうか??
A~Eを好まれる順に、1位~5位に順位付けしてください。 シーン1:恋人と一緒に座るとき シーン2:同性の友人と互いに議論するとき 答えは、この記事の下部に書いてますので、終わったらチェックを! 両方正解した方は、もはや、座り方から人間関係やその場の状況を見抜くプロ、かも!? |
2回にわたりお送りしてきた、座席の近接学。 今回は、おもに2人の場合の座席の選び方について紹介してきましたが、 1人のときにどんな席を選ぶかがその人の心理をあらわす!って説も実はあったり。。。 席の選び方ひとつをとっても、まだまだ興味深いことがいっぱい! またいつか、座席の近接学リターンズをお送りするかも?お楽しみに! |
<クイズの答え> シーン1(恋人と座る):1位→C 2位→A 3位→B 4位→D 5位→E シーン2(友人と議論):1位→B 2位→AまたはE 3位→EまたはA 4位→D 5位→C (2位と3位は同率なので、AとEどちらでもOKです!) |