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2009.04.21.更新
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■ 第19回 ぎゅっとする、愛のカタチ。☆親子の“愛着”☆


「抱きしめる、という会話。」というフレーズをご存知でしょうか?
数年前に公共広告機構(AC)が“親子の愛情”をテーマに作ったもので、
テレビCMや新聞広告で目にしたことがある、という方も多いのでは。


では、「抱きしめる」というコトって、本当に親子の愛を育むために大切なこと?
心理学的視点から、そのキャッチフレーズの意味に迫ってみたいと思います!

親子の心理的な結びつき、「愛着」。

「愛着(attachment)」。
心理学の世界で、親子、特にお母さんと子どもの間に見出される心理的な依存のコトを指す言葉です。

 この「愛着」をめぐる研究、活発に行われるようになったのは1950年代頃から。
それまでは、母子の愛っていうのは「愛の起源は生理的要求が満たされることにある」とされていました。つまり、赤ちゃんは眠かったりお腹がすいたりということを快適に満たしてもらうことで、お母さんへの愛情を抱くようになる、って考えられてたワケですね。


でも、ハーロウという心理学者が行ったある実験が、それまでの考えを一新することに!

赤ちゃんザルが、求めたものは。

 ハーロウが実験の対象として選んだのは、ヒトを同じ霊長類の、アカゲザルの赤ちゃん。
生後そんなに経たない赤ちゃんザルたちを、親から離して針金のケージに入れます。
さらに、針金で編んだ円錐型の物体(針金製の代理母親)と、その物体にタオル布地を巻きぬいぐるみの顔をつけたもの(布製の代理母親)も同じケージへ。

そして、ひとつのグループでは針金製の代理母親からミルクが出るようにして、もうひとつのグループでは布製の代理母親からミルクが出るようにします。
そして、赤ちゃんザルたちが、どちらの代理母親とより一緒にいたがるか、というのを調べたんです。

 まず、布製のお母さんからミルクをもらうグループの赤ちゃんザルたち。
1日目から布製の母親と一緒にいるのを好み、1日のうち15時間ほどはくっついていました。
実験が終わる1ヶ月後には、布製の母親と一緒にいる時間は20時間ほどまでに増加。
逆に、針金製の母親と一緒に過ごした時間は、初日で1時間ほど。その後も、針金製の母親にくっつく時間が長くなることはありませんでした。


 一方、針金製の母親からミルクをもらうグループの赤ちゃんたちは、というと。

 実験初日、針金製の母親にくっついていたのは1~2時間だったのに対し、布製の母親にくっついていたのは6~7時間。もうひとつのグループほどではないものの、やっぱり針金製の母親より布製の母親が好きなもよう。
1ヶ月後にはその傾向はさらに顕著に。針金製の母親と過ごす時間は変わらず、布製の母親と過ごす時間は15時間ほどにまで伸びていました。

 さきほど紹介した、母子の愛が「愛の起源は生理的要求が満たされることにある」ものならば、針金製の母親からミルクをもらう赤ちゃんザルたちは、空腹を満たしてくれる針金製の母親に愛着を感じるはず。
 でも、そうじゃなく、布製の母親のほうを好み一緒にいたがりました。
針金製の母親になくて布製の母親にあるもの、それは、やわらかい肌触りや、あたたかさ。
赤ちゃんザルはそういったものを求め、それに触れることで愛着を深めていった、と考えられるワケです。

「ぎゅっ」で、ぬくもり育む。

実は、この実験には、さらなる続きが。
赤ちゃんザルが布製の母親に愛着を感じている中で、お母さんが急にいなくなってしまう(=母親からの愛着を感じられなくなってしまう)とどうなるかを調査したのです。

 布製の母親をケージから取り去ってしまうと、赤ちゃんザルはまず、キーキーと大きな鳴き声をあげながらケージに噛み付く、「ホーホー」と声をあげながら走り回って母親を捜し求める、といった“抗議”を見せます。

 そして、いなくなって約6日後。攻撃的な様子はすっかりなくなり、無気力にうずくまっては時折甲高い悲鳴をあげる“絶望”の状態に。
さらにこの時期を過ぎると、最終的には“脱愛着”と呼ばれる、母親に対して無関心になる状態になるそう。


 なんだか想像すると、痛々しい気持ちになりますね…。
でもこの実験、ヒトに当てはめて考えても、納得できる部分って多いと思いませんか?
ヒトの場合、成長の段階において、“脱愛着”が必要なときもあります。たとえば、親離れの時期のように。

 でも、まだまだ愛着すら十分に形成されていないのに一方的に脱愛着の状態にさらされたり、そもそもその前段階として愛着という感情を経験できなかったりすることは、時に子どもや赤ちゃんに大きな心理的ストレスを与えることに。
さらに、そのストレスが、成長後の行動にまで影響することもあるんです。



 サルでさえそうなのだから、子どもにとって、お父さんやお母さんと触れ合うぬくもりって、とっても大切なもの。
たくさんコトバを交わすのもいいけれど、たまにはぎゅっと抱きしめてみる。
お互いのあたたかさを感じることが、親子の愛着を育むのに大きく役立ってくれるはずです。


と、言いつつも、親子同士の関わり方って、人それぞれ、家族それぞれ。
抱きしめることがすべてじゃないし、逆に、
抱きしめないからといって愛情がないってわけでもない。きっと。


手をつなぐ。頭をなでる。一緒にいろんなことを体験する。
いろんなカタチがある、愛着の生まれ方。
ただ、そのひとつとして、ぎゅっとする、というカタチもあるといいなぁと思うのです。

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【NAME】後藤 未紀
ちょっと知りたい、相手の気持ち・自分の感情。日常のラブやライフに潜むいろいろな「ココロ」を分析します。当研究所に、ようこそ!
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