こちらに来てから知ったことなのですが、メキシコで放映されている日本のアニメ、TV番組の歴史は古く、中でも「コメットさん」(初代九重佑三子さん版)が有名で、今でも3~40代の方は「Señorita Cometa!」と大喜びする話題です(大興奮で話されても、私は大場久美子さん世代です。)
他にも、鉄腕アトムやウルトラマンシリーズ、名作劇場のハイジ、最近のものではドラゴンボールなどが放映されています。
意外なほど日本のマンガ・アニメファンが多いと聞き、その一人でもある友人に連れられて、グアダラハラで開催されたマンガフェアに行ってきました。
日本のテレビはメキシコでも人気? |
暑くったって!コスプレ魂炸裂!東京ビッグサイトや幕張メッセなどのように、大規模展示会やセミナーが行われる事で有名な展示場。こちらの一角に設けられたスペースでこじんまりと、ですが熱く開催されていました。 訪れている人の年齢層は10~20代、やはりマンガやゲームは若い子供達に大人気です。 会場に入る前から、周辺ではアニメキャラなどのコスプレをした子達がそこここにたむろし、衣装や持ち物を見せ合ったり「アキバと変わらない」光景が繰り広げられています。 なんだか、同じ物を好む人達って、場所や国が変わっても性質は似たようなもの?と思ってしまいます。 しかもこの日は最高気温35度!そんな中でもコスプレは譲れない様です(全身黒ずくめ、マスク、手袋、コート着用男子まで居りました。) |
裏返しの漢字でも
入ってすぐに、大学生が中心となって運営しているマンガ同好会の様なブースがあり、受付の内気な青年がなぜか特攻服を着て、仲間を待っていました(毎度の事ですが、日本語や漢字が間違っています。が、本人達楽しそうなのであえて指摘はいたしません。) 隣のブースではテレビとニンテンドーを設置して、その場で対戦ゲームをさせていたり、なぜかその前にはチャイニーズレストランでお会計時にもらうフォーチュンクッキー(おみくじ入りのクッキー。あまり食べるもの、ではない)が置いてあったりと、日本を飛び越えてオリエンタルなものならなんでもいいのか!という雰囲気。 |
手作り衣装は学園祭のノリ?
さて、会場に集っている子供達は、思い思いに意思表示をしています。
コスプレさん達の多くは、キャラクターの衣装をチクチクと自分で手作りし、番傘代わりに中国製の安い傘を背中に背負っていたり、草履代わりにビーチサンダルを履いていたり。 どこで仕入れたか、古着の着物をゆるく着崩して、帯飾りも独自アレンジで派手派手しくしてみたり。 コスプレはしないけどアニメは好き、というタイプは、さりげなく付けているリストバンドに「忍」の文字があったり、バッグに好きなキャラクターのイラストバッジを付けたり、それなりの方法で自分をアピールしています。
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日本のものなら何でも見たい、知りたい!
と、ここで発見したのが、キャラクター商品の山に囲まれて異彩を放つ「オニギリ」。
あまりにも綺麗な三角だったため、おもちゃでしょ?と持ち上げたら、ずっしりとした重量感で本物と判りました。マンガやアニメの中で頻出する「オニギリ」の実物を、さあここでどうぞと売っていました。 中身は鮭、だそうですが、付属のお漬け物がメキシコらしい。 こちらで有名な日本食レストランで出したのがはじまりで、今や当然、日本食、チャイニーズと思われている「青唐辛子のしょうゆ漬け」。 相当辛いのですが、これを齧りながらオニギリを食べる、わけです。インスタントの焼きそばまであったのでそのチョイスに驚きました。 また、他のお店では、市内の日系食材店で仕入れたのか、日本や韓国のスナック菓子、チョコレート菓子なども陳列。ラムネやキャンディー(袋から出してバラ売り)もあったりと、ちょっとした日本のコンビニ感覚です。 特に、包装紙に日本語がいろいろと書いてあるものが彼らは大好きなようで、少しでも大好きな日本文化に触れていたい、とのこと。 マンガ本だってスペイン語に翻訳されて、左右逆組みになって、沢山紹介されていました。
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ニホンジン、逆襲にあう!?
そんな彼らを写真に納めていると、逆襲に遭ってしまいました。
「日本から来たんですか?」 「アナタハニホンジンデスカ?(ここ日本語)」 と逆に囲まれてしまう羽目に。 当然かもしれません。 アニメ、マンガから始まって、日本大好きな人達が集い熱気ムンムンのここに、日本人が一人で飛び込んで来ているのですから。 「私の名前を日本語で書いてください」とか「一緒にシャシン撮ってください」など、ちょっとどうなのよ、それ?という気もしましたがサービスサービス。 私だって、日本に居た頃は大好きなメキシコ文化、商品のある所にちょいちょい顔だして喜んでいたんだから。 嬉しかったのはみな一様に、別れ際に「ドウモアリガトウ」と日本語で言ってくれたこと。 きっかけはアニメだけれど、それだって立派な日本の芸術と文化。 そこから深まって広がって、日本語や日本の伝統文化に興味を持っていただけるって、とても嬉しいと思いませんか? <来週は、そんな彼らが日本の作家の本を見つけたいと走る、メキシコの本屋さん事情をお伝えします!>
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