ファッションだけに言える事ではないけれど、日本はとかく「甘く、可愛く、あくまでも可愛く」が主流。「ふわっと可愛い愛されワンピ」だとか、欧米人に比べ華奢な体型に緩急つけるようにデニムとスカートの重ね着だとかが女子に好まれているようで(私自身は無頓着?な部類に入るんだろうな。心地よければそれでよし、というタイプです。)
メジャーなファッション雑誌にはどれも似たような「流行」のものが見られるし、それと同じような組み合わせの服装をした女子のなんと多い事。これも「無難」を美徳とする日本流。(良いか悪いかはこの際割愛)
こちらメキシコで、日本女子のような服装をした人は見た事が無い。
服装の好み、男子の好む傾向、「服を着る」という意識が日本とはかなり違うような気がする。
実は世界第二位の肥満大国であるメキシコでは、驚愕の人口7割以上が体重過多とされている。その「丸っこい」体型が主流なここで、「ふわっと可愛い愛されワンピ」は必要以上に体の「視覚的面積」を広げてしまうため、おそらく流行らないのだろう。時折みかけるシフォン素材のトップスも、透けすぎているので下着だけでこれはセクシーに着るものだろうし。
標準的な体型が違うからそれは当然か? |
A quién le importa! 私が服を着て歩く、わけで。
街を歩く女子達はまさに「A quién le importa! (誰に構うもんか!)」と、着たいものを着たいように着ている。 大きく育ったお尻も、ベルトの上にたっぷり乗っかったお腹も、ブラの締め付けが痛々しい背中も、たぷたぷの腕も、気にしない!むしろ「豊満」なほうが、こちらのママ大好き男子達にはモテるのだ(あくまでも適度に、だが。) そして不思議なことに、バストはメロン、腹部は発酵中のパン生地のようにふくよかでも、大抵の人は小顔で、鎖骨もしっかり出ている。アジア人の太り方とはちょっと違う。 よく見かけるのは、紫のトップス。 こちらは真冬でも日中は25℃前後になるので、紫のピタT、紫色のピタピタポロシャツ、紫色のホルターなどにデニムを合わせる。スカート率は1割ほど。 デニムも日本によくあるようなブーツカットやストレートよりは、ストレッチ素材のスリムラインでヒップの丘陵地帯をこれでもかと見せている。これは、アジア人体型が着たらよけい貧相になってしまうので、むしろポケット付きで視覚効果を狙いたいところだ。実際、日本のユニクロで常にLサイズを買っている「それなりに豊満」な私でさえ、こちらの平均的な彼女達のダイナマイトボディを見る度に「これじゃだめだ!」とうなだれてしまう。 |
クローゼットが虹色になるほど。。。
日本にも出店しているZARA(日本ではザーラ、こちらはスペイン語読みなのでサラ)のショップに並ぶ服は、日本では少々派手目、露出度が高い印象なのだが、それらがメキシコでは「いたってシック」な印象を受けるほど、その他のショップが元気一杯なのだ。 ティーンエイジャー用ショップでは、印刷用紙色見本のページをずらっと広げたように、色とりどり(本当に色とりどり)の洋服、バッグ、シューズ、小物が並べられている。 店員さんに聞いてみると、今年の春夏の流行色は、オレンジとネオングリーン。 これらを同時に着ても良し、白と合わせてもよし。アクセントに使うベルトも、これまたカラフルでエナメル素材が多い。 日本では「無難」にまとめられるとして重宝する白、黒、グレーはコチラではマイノリティ。 人種や民族が混ざっていたり、気候の関係からか、日本人よりも多少肌の色が濃いので、カラフルな洋服のほうが彼女達に映えるのだろう。 ショッピングモールで、お買い物に来ていたキャピキャピ(死語)女子の一軍に出会ったので、写真を撮らせてもらった。 17歳の彼女達は、カメラを向けるとセレブのレッドカーペット並みにセクシーポーズを取ってくれる。斜めに構えて、小首をかしげ、胸を反らせるその姿も様に成っている。 ピースサインはどこにもない。 トップス+ジーンズは共通しているものの、全体的な雰囲気でカブっている子がいないのも驚き。あくまでも個性重視、なのだ。 |
友人姉弟がこれまた個性的且つ会う度にそのファッションが楽しみな二人なのでこちらもご紹介。 弟君はちょっとゴス系、お姉ちゃんもゴスロリに興味があるが、そこはちょっと落ち着いた感のあるファッション専攻学生。小物、靴も含めて、彼女はいつもおしゃれさん。 彼女達がスラッとしているのはちょっと例外的で、今度そのスタイル保持の秘訣を聞いてみよう。 <次週は、その豊満ボディが作られる元となるメキシコの市場をご案内します。> |