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私を幸せにするライフスタイル BONITA message
2009.01.29.更新
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■ メキシコで新生活スタート! 3 <経済格差が見えてくる編>

メキシコ経済の光と影

 どう綺麗事を言ってみても、メキシコはまだ先進国とは呼べない。

 日本の一人当たりのGDPが34,023ドルに対して、メキシコは9,600ドル(ペソにして133,392ペソ)。
 ラテンアメリカ諸国の中では比較的に安定していて、成長すらしているけれど、この数字の大半が主に白人が占める上層階級のもの。下をみればキリがない。もともとこの国にいたインディヘナの人達が主に、一日1ドルでの生活を強いられている。都市部にも田舎街にも、小さなカップを差し出して小銭を待つ姿が必ずある。これも、この国の現実。

Come Bien、とは言うけれど。。。

野菜や果物を街の隅々まで車で売りに。温暖な気候の下のびのび育った野菜や果物はこちらでは一番安い食材
野菜や果物を街の隅々まで車で売りに。温暖な気候の下のびのび育った野菜や果物はこちらでは一番安い食材
  メキシコ国民の伝統的な主食であるトウモロコシのトルティーヤ。
 こちらの500g(約30枚入り)の価格が5.5ペソ。4人家族の1日分弱の分量である。
 現在1ペソ約7円なので激安ともいえるが、ほとんどはそれに肉、野菜、卵など、なにかしら加えて食べるので、どう見積もっても4人家族の1日分の最低食費はその10倍にはなる(ガテン系梅クラス一家のひと月の収入10,000ペソとして、食費がその1/5ほど。算数が苦手なので自信がないが。)
 しかし!町中でいい香りを漂わせる素朴なパン屋さんのパンが、1つ6ペソ。(>4人分トルティーヤ)
 牛乳1Lが16ペソ。卵12個が18ペソ。豚肉が1キロ約40ペソ。
 「安い!」と思えるが、前述の最低ライン生活者は、主食のトルティーヤを唐辛子の酢漬けを齧りながら食べ、肉、卵などのタンパク質は週1でしか口に出来ないようだ。

 食品やお菓子、飲料のTVコマーシャルでは、画面下部に必ず「Come bien(=しっかり食べましょう)」とメッセージが出される。
 これはバランスよく食べよう、と特に中流以上の家庭によびかけているのだろう。
 経済的に苦しい家庭はテレビすらないのだ。

 栄養不足が子供達の心身の成長をさまたげ、貴重な働き手としてかり出される事によって、勉強も満足にできないという悪循環を生み続けている。

川一本、大通り1つ隔てて世界が変わる

 よく聞かれるのが、「メキシコは、アメリカに近くて、天国に遠い」ということ。
 お隣のアメリカ企業が多く進出して、アメリカ的な大量消費・物質社会化が進んではいるが、それは経済成長、全体的な底上げには何も役立たない。

 経済格差が激しく、上・中・下と綺麗にクラスの別れるこの国では、上流階級の人達は子供達も含め、他のクラスとの交流を持たないし、他のクラスの人々のする事はしない。
 例えば、上流の子供達は学校も彼ら専用の学校に通う。街のタコススタンドなどでの買い食いはしないし、自分で買い物もしない、聞く音楽の種類すら違う。
 それが良いか悪いかは別として、とにかく、しない。
 専業主婦がほとんどの彼らのお母さんが買い物に行くお店も、上流の人達が行くお店。
 スーパーマーケットも、「近くて便利だから」という人は別にして(めったにいないらしいけど)、高い輸入ものが豊富な高級なスーパーと、中間層向けのと、選択肢は少ないがお手頃価格の店と、行く場所もそれぞれの経済状況によって別れている。
 そして、上流の方々の買い物や学校の送り迎えに使う車は、TOYOTA、 HONDA、 BMWなどの大きなステーションワゴン。これは奥様専用車。

 1つの街、1つの行政区であっても、そのエリアによってクラスは別れ、それに反比例して治安は下がる
 比較的穏やかでのんびりしているこの田舎町でさえ、「あの橋の向こうは、日暮れ後には行っては行けない」と家主に教えられた。車で通りかかった時に見かけただけの感想ではあるが、やはり通りは乱雑で荒んだ様子で、止まっている車も全てがスクラップ寸前に見えたし、建物のいたずら書きも多く、「割れ窓理論」そのもので、とてもここを歩こうとは思えなかった。

貧しくても楽しい我が家

お下がりの自転車だって宝物。兄弟仲良く、大きく育ってね
お下がりの自転車だって宝物。兄弟仲良く、大きく育ってね
 国にはそれぞれ、事情がある。

 初めて田舎町の現地友人宅を訪れ、郊外の遺跡に行った時、「駐車した車を(安全のために)見ておいてあげたから5ペソちょうだい。」と、子供達が駆け寄って来た。友人はきっぱりと「頼んでない。そんなことより勉強しろ。」と言っていたが、直後に私が彼に言った「おそらく日本は、世界でも少ないストリートチルドレンのいない国、だと思うよ。」という言葉に驚いていた。 
 そういうことだ。
 その数日間の滞在の最後、彼らの父親は私を涙目で見送りながら「この国の美しい所だけを、日本に持って帰ってほしい。」と言った。

 侵略と戦争の複雑に絡み合った歴史と文化とが影響して現在に至って居るので、その階級社会がいいとか悪いとか、ヨソの国から来た私には何も言えない。彼らには彼らの、それなりの事情があるのだし、彼らのやり方もスピードも尊重しなくてはいけない。

 ただ、願わくば、一番苦しい部分にいる人々でも、頑張ればそこから飛び出せる可能性のある社会と環境であってほしい、特に学びたい欲求のある子供達にはそのチャンスを存分に与えられる世の中であってほしい、と思う。

 何はともあれ、でもホッとさせられるのが、彼らはつねに「貧しくても楽しい我が家。お金はないけど夢はある」の姿勢を忘れずに、気持ちの中にゆとりを持っているように感じる。その証拠に、この街には出会った人が微笑んでしまうようなユニークで温かいアートが溢れている。


<次週は「街のアーティスト達 1」をお伝えします。>
 
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【NAME】萬田 海晴
メキシコ生活、早くも2年半が経ち、気がつけば6足のわらじ。。。それでも、毎日楽しく過ごし、つねにGracias Mexico!と叫んでおります。
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