太陽が出たら、子供も犬も一目散で外に出る。 |
東京の平均年間日照時間は、約1847時間。それに引き換えポーランドの平均日照時間は約1600時間。日本の北国、札幌の約1775時間に比べてもかなり短いのですが、太陽の光が人間の気分に作用する、というのを聞いたことがある方、結構いるのでは。
これ、聞いただけではピンとこないと思いますが、私自身、日本の関東地方出身で、冬も太陽に恵まれている地で育ちました。よって、太陽が足りないとどうなるか、というより、太陽が足りない状態というのがよく分からなかったのですが、ポーランドに来て2年目で、冬になると起こる気分の変化に気がつきました。なんだか、滅入るのです。何も原因が無いのに疲労感、倦怠感がいっぺんにやってきた感じ。窓から外を眺めれば、空は灰色。気分も灰色。そんな時、ポーランド人の友人に言われた一言。「太陽が足りないんじゃない?」
日本にいると太陽のありがたさを感じるのは布団を干す時と洗濯物を干す時。それ以外は『美白』『日焼けをしない!』を座右の銘(?!)とし、年中通して長年太陽に背を向ける生活を送っていた私。愛でる植物は向日葵じゃなくてドクダミとコケ。それがここにきて、そんな長年のポリシーをかなぐり捨てて、太陽の下めがけてまっしぐら・・・せざるをえなくなりました。
確かに、太陽の下にいると気分がよくなるのです。体の奥底からジワジワと灰色な気分が取り払われる感じというのでしょうか。その後、足が自然と太陽の方に向いてしまうようになったのですが、これ、私が今まで日本で冬の太陽に慣れていて、その反動で太陽が恋しくなっていると思ったらどうも違うみたいです。
ポーランドでも、よくよく観察すると、太陽のあるところに彼らあり。道路を挟んだ2つの道、一方は太陽が照っていて、もう一方は日陰となると、ポーランド人ならほぼ間違いなく、太陽がでている道を選びます。特に冬場は太陽が少しでも出ると、小さな子供のいる家庭ではすぐ、防寒着を着せて子供を散歩につれ出します。
最近でこそ、真夏の12時前後は子供達を太陽の下で遊ばせるのは危険である、という情報が西ヨーロッパから入ってきて紹介はされてはいますが、実際のところ、まだまだ真夏の太陽の下で子供を遊ばす親も多く、親もそのついでに太陽に当たっているのが現状です。