2008年もいよいよ残りわずか!年末恒例の「今年の漢字」には、“CHANGE”という意味の「変」が選ばれましたね。今回のテーマはそれにちなんで、「発想の転換」。発想の転換って、考え方を「変える」ってことですから。(ちょっと強引?)
何かに行き詰ったとき、うまく考え方や物事のとらえ方を変えることができたら、随分気持ちがラクになるもの。では、どうしたらうまくそれが出来るようになるんでしょう?
実はそのヒントが、「物を見る」という行為に隠れているんです。ほら、発想を転換することを、「見方を変える」なんて言い方をしますよね。実際、目で物を見るという意味の「見方」を変えることが上手な人は、物のとらえ方という意味の「見方」を変えること、つまり「発想の転換」も上手なことが多いのです。
さあ、それでは、しっかり目で見ることからはじめましょう!
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はじめの「見えた!」で止まらないで。
まずは、右側の絵にご注目。漫画家のヒルが描き心理学者のボーリングが紹介した、「娘と老婆」という作品です。トリックアートとしても有名なので、「見たことがある!」という方も多いかもしれませんが、しばしお付き合いを。 このように、2つ以上の解釈が出来る絵を「多義図形」や「反転図形」と呼びます。この絵をはじめて見て、何も言われずに、娘と老婆の両方に気付ける人って、そんなにはいません。パッと見て「若い女性の絵だな」と認識したら、それ以降はもう「若い女性の絵」という目でしか見なくなるので、なおさらですね。はじめに見えたものだけにとらわれず、思考をストップさせなかった人だけが、この絵のもうひとつの姿に気付けるわけです。 |
角度を変えてみると…。
もうひとつ有名な作品を。こちらはジャストローという心理学者が紹介したものです。タイトルは「アヒルとウサギ」。…これを言ってしまったらもうバレバレですね。左を向いているアヒルが描かれているようですが、90度回転させるとウサギに早変わり!です。 |
解釈に関しては、みんな、空気読んでます。さて、ちょっとトリックアート的な世界から離れて、今度はこちらを見てください。 |
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発想の転換は、自分がラクになるための手段。ここまで来ると、はじめに「物を見る」という行為には「発想の転換」のヒントが隠れている、といった意味がわかってもらえたでしょうか? そして、発想の転換が使えるのは、物事の行き詰まりだけじゃない。人間関係の行き詰まりにも応用できます。改めて相手のことをいろんな角度から見てみる。相手の苦手な部分を違う文脈の中で解釈してみる。そうすると、恋人の優柔不断さは優しさの証かもしれないし、職場では辛辣で厳しい先輩もプライベートでは頼れるしっかり者かもしれません。そう考えることができると、ちょっと気持ちがラクになりませんか?発想の転換とは、相手が変わらなくても、自分が精神的に穏やかになれる、ひとつの手段でもあるのです。 |