プエルト・バジャルタから北上すること約40km。
ハリスコ州からお隣ナヤリ州に入り、Sayulitaサユリータという街に今回は滞在します。
ちょうど昨年の メ的☆熱海?から、今年初海の 冬だって海!ビーチに魚を食べにいく週末旅 間に点在する小さなビーチタウンの一番南側にあたります。
そう、今回はこの一体をチェックしよう、というのが目的。
宿の管理人に電話をして街の中心プラサに迎えにきてもらうことになりました。先ほどからぐ〜るぐると小さな街を回っていて気がついたのですが、ここ、スペイン語よりも英語表記のほうが多いのでは?? 入り江、浜辺を見下ろせる高台にあるお宿は、カリフォルニアに住む女性がオーナー。 一年のほぼ半分(秋、冬の間)をここで過ごしているお宅のゲストルームを開放している。 荷物を置いて再びプラサに歩いて行くことにする。 ん〜、裏道はいつも通りの「メキシコ」なのに、表通りは「アメリカ」的。だってレストランの看板が英語表記、Tacos de Mariscos(海鮮タコス)だって「FISH TACO」なんだもん! どうしたんだ、この街は!静かなメキシコの漁村に泊まり、海鮮三昧のはずなのに! 気を取り直してビーチのレストランに。 席についてメニューを見た途端、驚いた。 メニューが読めない! 超意表をついた「英語メニュー」に驚き、頭を英語チャンネルに合わせるのに数秒かかる。 で、出て来たビールにまた驚き。 瓶の口にリモンが刺さってますよ!アメリカや日本のバーではおなじみですが、メキシコではこれはしません。 それが!ここはアメリカですか! 覚悟して頼んだ「エビと白身魚の悪魔風」は、本来、薫製唐辛子とニンニクを効かせたコクと辛みソースの一品。 出て来たものは‥ケチャップ和え! しかもフレンチフライが付いてる!ありえへん! そしてお値段は驚愕リゾート価格の100ペソ(600円ほど)ありえへん!! もう判りました。ここはアメリカ、カナダなどの「北国」の人用なんだ、と。 店の人に「こんなんいやや、換えて!」と言う元気もなくし、ちんまり出されたチレをどばどばかけて食べるも、悲しみは一向に収まらず。 となりのテーブルに陣取った人達ははじめからスペイン語など一言も発さずに、ビジネスについて喧々囂々。 |
観光客で成り立つとはこういうこと
彼女がチップのカゴを持って席に来た時に聞きました。 「私はこの村で生まれ育った。子供の頃はこんなに賑やかではなかったけど、ここ10年程で変わって来たみたい。今はここで歌を歌っているけど、将来は都会に出て歌いたい。」 店の外で客待ちをしていたタクシーの運ちゃんも「アメリカなんかで昔ヒッピーやっていた世代が、年金もらえるようになってやっぱり今でもヒッピーやりたくてここに来たんだろう。土地と家を買って、一年の半分はここで、同じようなリタイア組を対象に貸家や小さなホテル、レストランやってるんだ。いいよべつに。人がくれば俺たちの仕事だって増える。」と、手でお金のサインをだしながら「お客が来て生活が良くなったんだから」と言う。 たしかに、この小さな村の英語率は異様なほど。それだけ、英語ができないと死活問題になるからだ。(もう少し北に行った他のビーチタウンには、ケベックなどカナダのフランス語圏からの人が多く来るので、こんどは英語・フランス語・スペイン語の3語標記になるのだそうだ。) そして、食メニューもかなり「北」寄りなことは否めない。 そうする事でお客さんが来るのなら、チレなしメニューだってオシャレなバゲット&カフェオレ朝食だって出します。ビールにリモンも刺します。 メキシコのメキシコ的な部分は各々が家でやればよし。 ここに来る「北」の皆さんはこってこてメキシコを求めて来ているのではなく、この気候と雰囲気だけを求めているのであって、「本物」が欲しい訳ではない。 (その後、私は路地裏のメキシコ人用定食屋で食事してました。) |
メキシコらしさか迎合か
どれほど「北国さん迎合経済発展作戦」が浸透しているのか。 各地、その「熱」に差はあるものの、それをしていない村は明らかに観光客がいない。 メキシコがありのままのメキシコでいる場所には、「北」の観光客は来ないのだ。それだけは明白に判る。 今回、のんびりビーチ♪なんて思っていた所にガツンと一撃を食らったようなこの旅。 メキシコに住んで3年ですが、まだまだ発見は続くのです。 |