メキシコは広い国、そして都市が点在している国。人口密度を比較すると、日本の約1/6。つまり、日本で6人いる面積に、メキシコでは1人。昔から、その広大な大地にそれぞれの文化を持つ部族が暮らし、点と点を結ぶように繋がって来た場所柄、食文化もかなり地域差があるようです。
前回のLa pena de Bernalに引き続き、メキシコ中部のQueretaroケレタロ州に滞在、ご当地グルメをご紹介しましょう。
ご当地グルメ @ メキシコ |
真っ黒なおいしいもの
西部劇などで軒先にぶら下がっている真っ黒な粒Maiz Prietoマイス プリエト(正確には紫)のとうもろこしをトルティーヤにしたもの。これはメキシコ中部でも限られたいくつかの州でしか食べられておらず、出てきたら「わりとラッキー」な代物。 先住インディオ達にとっても貴重なこの黒トウモロコシのトルティーヤはもっちりとコクがあり、ケサディージャや羊のバーベキューに最適なんだそうです。 グアダラハラから来た私にとっては(ほぼ)初めて。たしかに、歯ごたえ、トウモロコシの力強い風味を感じられます。 |
軽食とよぶには重過ぎる
カナッペと呼ぶにはデカ過ぎだし、ボリュームあり過ぎですが、パンの上に好きな物をありったけ乗せちゃったものです。パンにはバター、フリホーレスが塗られ、その上にはジャガイモとひき肉をたっぷりのラードで炒めたピカディージョ、仕上げに千切りレタスとフレッシュチーズ。炭水化物、豆、肉野菜、乳製品と、「健康的な食生活を」のピラミッドそのまま。 かなり食べ甲斐がある一皿です。 |
ゴルディータを食べてますますゴルディータに。。。(恐)
グアダラハラでもどこでもみかけるゴルディータ(「丸っこいの」の意)ですが、なんでもここケレタロ州がその発祥なんだそうで。
トルティーヤを水と少々のラード(また!)で練り上げたマサを手のひらよりすこし大きいくらいに丸め、平たくし、油で揚げます。外はカラッと、中はしっとり揚がったものに器用に切れ目を入れ、ポケット状に開き、中にお好きな物(例えば先ほどのピカディージョや、マッシュルームの炒めたもの、フリホーレス、チョリソー、チーズなど)を詰め、それを鉄板で焼きます。 あっちあちで出されるので、お好みのサルサをかけ、はふはふとかじり付きます。 熱い!でもうま〜〜い! 確かにグアダラハラのものとは違います。なにが違うって、そのマサ。トウモロコシを粗挽きにしているので、舌触りも違うし、なによりもその香ばしさとフレッシュトマトをたっぷり使ったサルサとの相性が最高! この旅行で食べたナンバー1かもしれません。
|
真っ黒なのはスープも
私の大好きなメキシコの臓物スープ「メヌード」もここではまた違うのです。 グアダラハラではわりと大人しめな「癒し系」スープですが、ここでは容赦なくチレが襲いかかります。 見た目からして。真っ赤というか、その名も「Merudo Negro(黒メヌード)」。どす黒いチレが悪そうですね。でも辛さの奥にチレの出汁がでて、奥深い味に。これも、普段のメヌードと同じく刻みタマネギとオレガノ、たっぷりレモンで。 メキシコの全国的おふくろの味「ポソレ(巨大コーン入り煮込みスープ)」だって、どす黒いんですから、ケレタロ恐るべし。 額に汗して挑め! |
優しい甘さのドリンクでほっとする
飲み物は、そこはかとなくグアダラハラより濃度の濃いナチュラルフルーツジュース。
フルーツ天国のメキシコ、ここではフレッシュフルーツを何でもかんでもミキサーにかけ、水で割り砂糖を加え、ジュースにしてしまいます。 左はグアバ(日本に出回っている物と違い、酸味はほとんどありません)、右はお米の粉でできたオルチャタ。シナモンも効いていて、天然の甘さが引き立ちます。 食後は、お鍋でシナモンスティックとともにぐつぐつ煮だしたコーヒー、「Café de Olla(カフェデオジャ)」。 これにはピロンシージョという黒砂糖も入っていて、一層風味豊か。 高地にあるケレタロの朝晩は夏とはいえぐっと冷え込みます。そんな時にゆっくり楽しみたい一杯。
|
デザートにたどり着けず無念。
最後はお土産用に、お祭りに出ていた「ここで焼いています」のパンの屋台で〆! |