■ 第74回　信じていいの、この占い。☆バーナム効果☆

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雑誌や朝のワイドショーですっかりお馴染みになった、“占い”。
ネットで調べてみると、誕生日や血液型に基づくものはもちろん、
カレー占い、ほくろ占い、戦国武将占い、源氏物語占いなど、
ユニークなものもたくさん！
 

では、アナタは占いをどのくらい信じますか？
占い大好きですごく信じてる！という方には先に謝っておきます、スミマセン。
今回の「ココロ☆ラボ」では、占いの心理的カラクリにズバリ切り込んじゃいます！ 

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早速ですが、アナタの性格を占ってみましょう。
画面にむかって念を送ってください。
むむむ…わかりました！アナタの性格の分析結果はコチラです！

あなたには、人に好かれたい、褒められたいという欲求がありますが、一方で、自分に厳しくしがちなところがあります。性格的に弱い部分がありますが、その弱点を補える能力もあります。あなたには、まだ長所にしきれていない潜在能力があります。
見かけはしっかりして自分を律しているようにみえますが、実は心配性で不安になりがちです。ときとして、自分が決めたことが本当に正しかったか、非常に悩むことがあります。ほどよい変化と多様性を好み、制限されることは好きではありません。
自立した考えをもっており、十分な証拠なしに他人の言うことを鵜呑みにすることはありません。他人に自分のことをあまりさらけだすのはよくないと考えています。
他人に愛想よくふるまうことができますが、内向的で慎重な一面ももっています。あなたには、非現実的な願望があります。

どうでしょう？けっこう当たっていませんか？

実は上の性格分析の作者は、アメリカの心理学者フォアラー氏。占星術の本から、星座と無関係に、よく使われる文章を抜き出し一つのコメントにしたもの。
フォアラー氏は、学生たちに性格検査と称した質問紙検査を受けさせ、その１週間後、ひとりひとりに“診断結果”を渡しました。その結果というのが、今読んでいただいた文章。もちろん、学生全員、同じ文章です。

そして、その診断結果がどの程度自分の性格と合致しているかを、
０（全く当たっていない）～５（非常に当たっている）の５段階で評価してもらったところ、全学生の平均値は、４．２６！８７％の学生が、４か５を選びました。

つまり、占いに使われている文章というのは、誰もが「あ～、そうかも」と思える要素満載ということ。ヒトの性格ってそもそも一面から切り取れないもの。
明るい性格の人にも暗い気分のときはあるし、しっかりした人も、いつもどこでもしっかりした人でいられるわけじゃない。
だから、上の文章のように、「○○だから××」という表現を多く使えば、たいがいの人に当てはまる性格分析が出来上がるってワケです。

よく考えてみれば誰にも当てはまる結果なんだけど、
改めて占いとして書かれていると、「当たってる！」と思ってしまう。
この心理効果を、“バーナム効果”と呼びます。

 

このバーナム効果について追跡調査を行ったのが、
フランスの心理学者・ゴークラン氏。
コンピュータで星占いサービスを行う会社に、フランスで悪名高い犯罪者のデータを、自分のデータとして送るという、ちょっと意地悪なことをしてみたのです。
 

すると、その会社から返ってきたコメントは、バーナム効果のオンパレード。
「従順で穏やかな人柄を豊かな技能が引き立てる」「正義感が強い」「健全な精神をもつ」など、犯罪者らしからぬ診断結果も。

さらに、ゴークラン氏は、新聞に「無料でコンピュータ占いをします」という広告を掲載。応募してきた１５０名以上に、前述のバーナム効果満載のコメントを転送したのです。すると、９４％の人が「当たっている！」という反応を返してき、中には「有料でいいから、もっとくわしく見てほしい」という人もいたそう。

この調査からもわかりますよね。
バーナム要素のつまったコメントであれば、本人の血液型や誕生日、その他もろもろの個人情報と何の関係がなくても、ワタシたちは「当たってる！」と思ってしまうのです。

 

さて、このバーナム効果。
以下のような条件が揃うとき、特に発揮されやすくなると言われています。
 

まず、精神的に弱っているとき。
そして、診断される側が、診断者の権威を信じているとき。
さらに、診断内容が各人向けに書かれていて、自分だけに当てはまるように感じるとき。
 

これを知ると、よく当たると評判の占い師に行列ができるのも、納得の事実。
だって、まず占いに頼ろうとしていることが、ココロが弱っている証拠だし、
その人の権威を信じているからこそ、その占い師を選んだわけで。
そして、占い師との直接のやりとりは、雑誌やテレビで見る占いにくらべて、
ぐっと「自分だけに当てはまる」感が強くなりますよね。

また、占い師は「一般的によくあること」をうまく利用しているという説も。
心理学者のブラックモア氏は、６千人以上にアンケートを実施し、
・３人に１人は、左ひざに傷跡がある
・５人に１人は、家族に「ジャック」という名前の人がいる
・１０人に１人は、前の晩に長年会っていない人の夢を見ている
など、「一般的によくあること」の存在を指摘。
占い師は、こうした「一般的によくあること」を話の中に織り交ぜ信憑性を高めている、ということです。

まとめ。
心理学の世界では、基本的に占いは信用されていません。
それは、占いが当たらないからではなく、むしろ誰でもに当たるよう作られている、
と考えられているから。

ここまで読んでくれたアナタに、改めて、最初の質問を。
さあ、アナタは占いをどのくらい信じますか？

 

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占いのカラクリ、いかがでしたか？
それでもついつい見てしまう、占いにはそんな不思議な魅力があるのも事実。
悪い結果はさらりと流して、いい結果だけ信じる。
そんな付き合い方をしたいものですね☆
 

ちなみにワタクシ、戦国武将占いは伊達政宗、源氏物語占いは玉鬘でした。
どちらも、なんだか、嬉しかったです。

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